2008年4月24日木曜日

Dog Star Man: Prelude(Stan Brakhage,1961)




どうもどうも。

今日はとても個性的な作品、Stan BrakhageのExperimental Film。
Dog Star Man:Prelude。映像をどうぞ。

まずはExperimental Filmとは何か。。。
和訳の通り、実験映画。
監督がViewerに実験しているのです。
この映画を見てもらえればわかるように、
はっきり言って訳の分からない、抽象的な、ぐちゃぐちゃな感じの、
これは映画と呼べるのかと、そのような錯覚、感覚に陥れるような作品。
この映画をArtと呼ぶ人もいれば、ただのわけのわからん映像ととらえる人も多いと思います。

Brakhageはこのような作品を300以上作っているらしいです。

彼はこの映画を作るにあたってのコンセプトとして、
音楽に値する映画と称しています。

彼に言わせれば、音楽というものは世の中で一番抽象的なArtらしいです。
音楽とは何?
例えば、音符の定義って何でしょう?
高い、低い、音、リズム、点、まぁなんとでも言えると思います。。。
音楽というものは形がない、目に見えない、だから抽象的なんです。
歌詞が着いていれば、何となく形はあるのかもしれませんが、
例えば、俺はロックが好きだ!てか好きです。
何でって言われると、ん〜、音が好き、だとか、ノリがいいだとか、
はっきりいって具体的な意見には到底結びつきません。
Brakhageはそういった”目で見る音楽”をここに作っています。
意味はないけど、人それぞれで違う感覚を持てる、
僕はこういう映画嫌いじゃありません。
何を見て、ARTと人は呼ぶのか、むしろ映画だけじゃなく、
絵画だって、陶芸だって、書道だって、写真だって、もちろん音楽だって、
Artなんです。
ピカソの絵を見て、これはArtだ!って思う人、
なんだよ、こんなん誰でも描けるじゃん、って思う人。
ただこの人たちがすごいことはこう言ったものを生み出したってこと。
先駆者となることはとてもすごい。
DADAISMという言葉があります。
これは一種の時代背景で、
1900年代前半に起こった、芸術運動。
人々は形式というものにしびれを切らし、
形にとらわれない、自分にしかわからなくてもいいという思想のもと、
自分がいいと思うArt形式を生み出す。
このFilmもその一環だと思います。

さて、Brakhageはこの映画を通して、何を表しているのか。。。
彼はこの作品を通して3つの感性を表しています。
1つ目は先ほど言った、音楽としてのFilm。
音楽をFilmとして表現したということ。

2つ目はLanguage&Pre-language。
言語そして、言語を習う前の例えば幼年期のような映画。
何もしゃべれない子供が何を思っているのかなんて、わかりはしません。
そのような赤ちゃん言葉のような、もどかしい感覚。

3つ目はView of Closed eyes。
目を閉じた時に見るような映像。
僕はこれを見た時はっきりこれを思いました。
最初のシーンでの赤く光る幕、暗くなったり、激しく明るくなったり。
そして、映像の途中のスクラッチ、とかなんとなく青い星みたいな、
流星群のような映像。
どっかで見たことあると思っていました。
小さい頃から、たまに目をつぶってそのまぶたを軽く押さえると、
このような映像が見えるのが実は子供ながらにすきだった。笑
まぁ頭おかしいとは思うけど、なんかその時見えている映像が、
幻想的で、非現実的で、なにより、すごいいいものを見たような、
変な感覚に陥るのです。笑
何となくわかる人にわかるような、
わからない人には絶対わからないような、
そんな神秘的で、独占的なこの映画を、
僕は尊敬のまなざしで見ていることだろうと思います。

誰でも作れるものを当たり前のように創る人がいる。
それはとても想像力が豊かで、
恐いもの見たさからくる、
鳥肌のような、血の気が引くような、
不思議な世界。

悪くないと思います♪

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