2008年8月28日木曜日

スカイクロラ (押井守,2008)



公開中の押井映画、スカイクロラ。
この作品は押井守自身、伝わらなければもう監督業を辞めると豪語する程の意気込みで作られた作品。

世界が平和になり、戦争がショーとして確立されたという時代設定で物語が進行する。
人々は生きているという実感を求め、青年になってから成長が止まり、戦死でしか死ぬことがない、キルドレという人種を開発し、
キルドレ同士を戦わせて、楽しんでいた。

生きるという、押井守が進めてきたテーマを全面に反映させ、キルドレはこの事実をどう受け止めているのか、描写が細かく描かれている。


この作品は本当に生きるというテーマというよりはむしろ、生きることの大切さや、僕らの知らない世界では戦争が起こっているのに、
それを無視するかの様に、もしくは平和ボケをしている日本人に向けての注意を促すようなテーマが垣間見れた。

死に際で死にものぐるいになって戦うキルドレは死ぬことの恐怖さえ忘れ、何のために戦い、誰のために戦うのかさえ錯覚し、
それと引き換え、人々は戦っているところを外から観戦し、誰が死んだ、何人死んだと情報だけを汲み取る。

平和とは、生きるとは、死ぬとは、実感しないとわからないものなのか。。。
誰かが犠牲にならないと物事は理解出来ないのか。。。

何とも残酷で、且つ現代人にとって最も必要な要素がこの映画には反映されていた気がする。

2008年8月20日水曜日

百万円と苦虫女(2008,タナダユキ)



もうすぐ夏休みも終わりに近づいてきました。

さて今回は今公開中の百万円と苦虫女。タナダユキのロードムービー的な映画です。

やっぱり蒼井優はすごくいい。ホントそれに尽きますね。笑


蒼井優もいいんですが、この映画すごくオススメです。
すごくわかりやすいし、温まるし、心にしみます。

テーマはすごく具体的に、『逃げるな』というもの。
苦しいことから逃げたり、臆病になって恋愛出来ないなんてダメ!っていうような映画です。

人生には必ず、立ち向かわなくてはならない壁があると思います。
それからいかに逃れることを考えるんじゃなくて、どう受け止め、正面からぶつかっていくことを覚えることが大事なんだと。

主人公の鈴子は100万円貯まったら別の町に別の街にとありとあらゆる場所を転々とする。
そこで出会った素敵な人たち、男性が多かったんだけど、その人たちと真剣に向き合うことが出来なかった。
なぜなら、100万円貯まったらどこかへ行くことを決めているから。

それは逃げることであって、解決策じゃないことを弟によって示された。

逃げないことを知ることってすごく難しい。とくに僕ら20代にとって、何が大切かをわかるのには絶対年月がいるとおもうから。
何事も経験なんだと思う。。。決断する勇気を持つこととかって色々見てきてないと、割り切れないと思うから。

鈴子はそれを知ることが出来たからきっぱり付き合ってる人と別れることを決断出来たんだろうなぁ。


すごく、シンプルだけどなかなか奥の深い内容で、見て絶対損しないっていうか、ありがとうって思えると思います♪



まぁやっぱり蒼井優が最高ですけど(笑)

2008年8月2日土曜日

歩いても 歩いても(是枝裕和, 2008)


調子良く書いていきましょう♪♪

只今公開中(8月現在)、是枝監督の最新作「歩いても 歩いても」を見てきました。

僕はこの作品がすごく好きです、っていうかその前に是枝監督の作品が好きなんですが、
ほんとにいい映画を創る人です。

家族モノってめっっっちゃ好きなんですが、
この作品はホントに、何度も何度もあぁ〜〜〜わかるわぁ〜〜〜みたいな、
とても家庭、いや、全国民の家庭に密着した共感せざるを得ないような内容。

今公開してるので、あんまりネタバレ的な内容は書きたくないんですが、
話の内容というか概要は歩いても歩いてものホームページにあらすじが載ってるので、
興味があればどうぞ。



ここで特に書きたい内容は、やっぱりこの映画のテーマ的な、
そんな感じの、もし見たい人が増えればいいなぁ的な、
なんて言うか、人助け的な。。。
いらないですか?
いや、自己満で書こうと思います。


キーワードがいくつか出てくるのですが、
たとえば、りょうちゃんの義理の息子アツシ君が言う、「死んだ人に手紙を読んだって聞こえないのに。」と言うフレーズ。
見えないものを、見えないものになぜ固執するのかとか、
存在しないものがなぜそんなに大事なのかという考え。

あと気になったフレーズが、
りょうちゃんがいう、「いつもちょっとずつ遅れるんだよなぁ〜。」という言葉。
これは実際の監督の体験談なんじゃないかなぁって思います。
阿部寛扮するりょうちゃんは親の夢を何にも叶えられないまま、
両親との別れを結局してしまう。
その結果がいつもちょっとずつ遅れてしまう結果に繋がるんだなぁって思った。

ホントに共感出来る部分がすごく多くて、
おばあちゃんの家に久しぶりに家族で行った感覚だった。
それだけ、すごい素というか、自然体を映した、シンプルだけど、
共感せざるを得ないような、そんな映画でした。

見てるだけで本当にほころぶような、
お笑い番組を見て笑うような笑いじゃなくて、
兄弟で、家族でふざけあった時のような、
そんなたわいもない笑いがあります。

でもこの人がすごいのは、
それだけじゃなくて、やっぱりシリアスな場面はすごいガツンと見せる。
やっぱり親はいつまでたっても子離れ出来ないとことか、
いやいや言っていても、やっぱり息子が来るとうれしかったりするところとか、
息子を思いすぎて、陰で張本人を憎む場面とか。。。
あんまり詳しくは書きません、
見たらわかります。親の気持ちって絶対こうなんだろうなぁって。

さぁ、映画館に行こう♪